経理
【収入と経費はいつ計上?】発生主義と現金主義の違いを解説!
副業でYouTubeを始めた方や、フリマアプリでの売上を申告する方の中には、「経費はいつ計上すればいいのだろう」と疑問を持ったことがある方も多いのではないでしょうか。
会計には「発生主義」と「現金主義」という2つの考え方があり、どちらを採用するかによって経費や収入の計上タイミングが変わります。
今回は2つの考え方の解説とケーススタディをしてみましょう。
【収入と経費はいつ計上?】発生主義と現金主義の違いを解説!
発生主義とは?
発生主義とは、「取引が発生したタイミングで収益や費用を計上する方法」です。
ここで重要なのは、費用収益対応の原則に基づき、収益を得るために発生した費用をその収益と同じ会計期間に計上することです。
●発生主義の例(商品の販売と広告費)
商品の販売
12月に商品を販売し、1月に代金を受け取った場合、売上は12月に計上する。
→売上が発生した時点で計上するのが発生主義の基本ルールです。
広告費の支出
12月に広告を掲載し、1月に費用を支払った場合、12月の費用として計上する。
→実際の支払いが1月でも広告の効果が12月の売上に結びつくため、12月の費用とします。
このように、発生主義では「いつ費用が発生し、収益と結びつくか」を考えることが重要です。
企業の会計は基本的に発生主義で処理され、法人や青色申告を行う個人事業主もこの方法を採用します。
現金主義とは?
一方、現金主義とは、「実際にお金が動いたタイミングで収益や費用を計上する方法」です。取引が発生したかどうかに関係なく、支払や受取が行われた時点で記録します。
●現金主義の例(商品の販売と広告費)
商品の販売
12月に商品を販売し、1月に代金を受け取った場合、売上は1月に計上する。
→収入を受け取ったタイミングで計上します。
広告費の支出
12月に広告を掲載し、1月に費用を支払った場合、1月の費用として計上する。
→支払ったタイミングで計上するため、12月の売上とは対応しない可能性があります。
個人の副業やフリマ販売などで雑所得として申告する場合は、現金主義で処理する方法が一般的です。
ケーススタディ YouTubeの副業ではどちらを採用すべき?
本業はサラリーマン、副業でYouTuberをしているとします。
副業の売上は雑所得として確定申告予定です。
2月に撮影した動画を3月にアップロードし、その動画から収益が発生する場合、撮影にかかったスタジオ代はどちらの月の経費になるのでしょうか?
今回のケースは副業で「雑所得」として申告をすることになるので、現金主義を採用するのが基本的な考え方になるかと思います。
スタジオ代を支払ったのが2月であれば2月の経費、3月であれば3月の経費となります。
収入についても、受け取ったタイミングで計上します。
まとめ
法人や個人事業主(青色申告)は発生主義が基本ですが、副業で申告する場合は現金主義でも問題ありません。
しかし費用収益対応の原則を考えると、発生主義を採用することで会計処理としては正確性が増します。
事業をしている方は申告の際に迷わないよう、どの方法で処理するかを決めておきましょう!😊