経理
【従業員向け】年末調整で準備する資料について解説!
年末調整の時期になってきましたね。
これを執筆している私は、毎年「それで何を準備するんだっけ?!」と混乱してしまいます。
毎年更新される部分もありますので、今回は年末調整とは?という話と、提出書類について解説をしていきます。
書類とはいっても私のような1人の従業員から会社に提出するものと、それらを取りまとめた後に会社から税務署・市区町村に提出するものがありますので、今回は従業員から会社に提出する書類について解説していきます。
年末調整とは
年末調整は、1年間の所得に対して納めるべき税金が正しく計算されるように、会社が従業員のために行う手続きです。
会社員の場合、毎月の給料から所得税が引かれていますが、この税金の金額は「大まかな予測」に基づいているので、実際の1年間の収入や家族の扶養状況などが考慮されていません。
年末に1年分の収入や扶養の状況、保険の支払い状況などをまとめて確認し、「本来支払うべき税金」と「これまで支払ってきた税金」を比べて所得税の差額を調整するのが年末調整です。
・扶養家族の有無
・保険料(生命保険や地震保険など)の支払い状況
・住宅ローンを利用している場合はその控除
これらの情報をもとに、1年分の税金を再計算して払いすぎた場合は「還付金」として返ってきます。
逆に足りなかった場合は追加で支払うことになります。
年末調整は税金を適切な額にするための重要な手続きなので、書類の提出は忘れずに対応しましょう。
それでは、どのような書類があるのかについても見ていきましょう。
従業員が準備するべき書類
(提出の目安:10月~11月末)
1. 扶養控除等(異動)申告書(従業員全員)
家族構成や氏名、収入の有無などの情報を記入します。
現在の状況が明確にわかるのと、免除家族がいる場合は一定額の免除が適用されるため、その年の得税や住民税が軽減されることがあります。
その年に免除家族の状況が変わった場合(子供が就職した、親戚の収入が増えたなど)、移転があったことを記載します。
2.基礎・配偶者・所得金額調整控除申告書 (従業員全員)
この書類には以下の3つの控除に関する情報を記入する欄が設けられており、それぞれに応じた控除を申請することができます。
・基礎控除
全ての人が受けられる基本的な控除です。
所得に応じて金額が変わりますが、税金の負担を減らす役割があります。
・配偶者控除および配偶者特別控除
結婚していて配偶者の所得が一定の範囲内の場合に控除がされることとなります。
・所得金額調整控除
年収が高くなると、扶養控除などの控除が受けにくくなりますが、この控除を使うことで一定の調整がされ、税負担を軽くできます。
3. 保険料控除申告書(従業員全員)
生命保険や医療保険、個人年金保険に加入している場合、その支払金額を記入することで所得控除が受けられます。
加入している保険会社から送られてくる「控除証明書」や「掛金払込証明書」などを添付しましょう。
特に加入していない場合でも、従業員全員の提出が必要となります。
4. 住宅借入金控除申告書(該当者のみ)
初年度は年末調整で住宅ローン控除を適用できないので税務署に社員本人が申請しますが、2年目以降はこの書類で控除を申請します。
この用紙は対象者に税務署から送付されてきますので、銀行口座の残高証明書と合わせての提出が必要です。
まとめ
従業員からすると年末調整は「年に一回書類を会社に提出する」作業なので、触れる機会が少ない分書類について覚えられないこともあるかもしれませんが、大切な業務だということがお分かりいただけましたか?
次回は、従業員が年末調整の書類を提出した後、どのような流れで税務署や市区町村に報告がいくかについて追ってみます。お楽しみに!